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転じて吉[第15話]

※内容にはド性描写が含まれますので、成人腐男女以外はご遠慮下さい。

※今後ブログでの1話先行実施により、今回は話数調整のためブログには2話分(7000文字程度)まとめて『明星の』として投稿します。長い文章となってしまい申し訳ありません。
小説家になろうサイトでは今回『明星の(前編)』、次回更新時に『明星の(後編)』として1話ずつの投稿となります。

※今後は全てスマホでの執筆&投稿となります。読み辛い点、誤字脱字多々あるとは思いますがご了承下さい。

宜しければ『続きを読む』から本編へとうぞ



 『明星の』

 
 月明かりに照らされ蒼白く浮き上がる裸体は、たった今深海から打ち上げられて濡れた両脚をさらす人魚のように、ぬらぬらと光っていた。

 生々しいのに、同じくらい神々(こうごう)しくもある。

 幻のような儚さもある。

 これが貴崎 祐の真の姿、正体なのだと思った。

 祐の腕にまとわり付いていたパジャマを剥ぎ取った後、掛け布団をそっとめくり、まるで未知の生命体を観察するかのように成宮 冬馬はじっと魅入っていた。

 月光の下、時折腰をくねらせては切なげな鳴き声をあげ、艶(なま)めかしく悶える。

 祐は二度目の絶頂を超え、すっかり理性を無くし成宮にされるがまま、悩ましい光景に身を投じていた。

 成宮も先程一緒に達したばかりなので、まだ頭が少しぼんやりとしている。ぴちゃくちゅと波打ち際の泡が弾けるような小さな水音と、目下に横たわる恋人の吐息に耳を澄ませた。

「あ……っ、んぅーー」

 優しく動かしていた指を少し曲げて中を撫で上げてやると、祐はまた声を震わせ身体を捻(ねじ)った。
 ずっと張ったままの祐の可愛い部分がふるんと反応する。

 ここ、かーー。

 ついさっき尾びれが裂けて孵化したような二本の脚。先程から成宮はその間に指を差し込み、幼馴染の中をじっくりと味わっている。

 赤ん坊のような唇をゆっくりと舐めとる。
 手を止め、成宮は優しく聞いた。

「祐、大丈夫? 痛くない?」

 すると祐は「……んん」と水気の多い声で応えた。薄っすら瞼を開け上目遣いでこちらを見上げる。
 一つ一つの仕草に成宮は吸い込まれていく。

「無理しなくていいんだよ。途中で止めても、いいんだから……」
 断じていいはずはない。

「だ、だいじょぉぶ……。とーまには……何されても、いいからっ」

 成宮は感嘆した。
 自覚していたよりもずっとこの恋人は自分に溺れている。
 今の言葉を録音して、祐の兄にでも聞かせ自慢してやりたい。アラーム音に設定して毎朝目覚めに聞くのもよい。

 成宮は目を細め、ふるふると可愛らしく張っている部分に触れた。指先でつっと先端までなぞってやると、祐は「あぁっ……ん」と声を漏らす。

「祐ってば……。ダメだよ、そんな風に言っちゃ……」

 めちゃくちゃに壊したくなるではないか。

 誰一人受け入れた事のない祐の狭い内側を、二人分の生温かい体液でゆっくりと溶かし広げていく。

 ほぐれていく祐の中。
 とろとろで熱い。
 成宮の指に絡みつき、逆にこちらが舐め取られているような錯覚さえ起こす。

 中指を滑り込ませて指を増やすと祐の呼吸はひと際大きくなる。膝を閉じようとしたので、成宮はやんわりと小さな膝小僧をつかんで祐の腹にくっつけるようにして持ち上げた。

 くぱりと露(あら)わになった秘部。
 あられもない体勢を強いられても、祐は何かに耐えるようにぎゅっと目をつむり、口を半開きにして熱い吐息を吐き出すだけだった。

 余りにも淫らな情景に、成宮の中も掻き乱されていく。

「祐……すごく綺麗だよ」

 月夜が映し出す滑らかな輪郭を丁寧になぞっていく。さらさらとした前髪、濡れる睫毛、成宮に好き放題されて火照った唇に小さな顎。
 その下には、つい両手を回してみたくなる細い首がある。

 触れるもの一つ一つが皆繊細で、天才技師が生涯をかけて完成させた人形のようであり、尚かつ未成熟な少年そのものでもある。
 未完成の完成形。
 成宮を誘惑するためだけに、生まれてきたに違いない。

 堪らなくなって祐の口内を舌で掻き混ぜる。
 指で触れた部分に丹念に唇を滑らせると、祐は「ふはぁっ……」と息を吐き、声を抑えるように口に手をあてた。

 ずっと高ぶっているままの自らの下半身に手を添え、何度か上下させて握り込む。

「祐のこと、もっと知りたい。もっと深くまで……いい?」

 小さな耳に囁きかけると一瞬はっとした様子の祐が、ほんの微(かす)かに頷く。成宮の手に柔らかな睫毛がふわりと触れた。

 小さな身体から指を引き抜き、細い脚の間に身体を割り込ませて真正面から祐の上に覆いかぶさった。
 祐は口元に手をあてたまま緊張した面持ちでいる。

 柔らかくほどけた部分に硬くなったものをひたりとあてると、祐は一度びくんとして呼吸を止めた。

 ゆっくりとゆっくりと祐の中に身体を進める。

「と……まぁ……っ。んぅ……あぁっ…おぉ、き……ぃッ!」
 凍りつく小さな身体。

「祐、息吐いて……。力抜いてごらん」

 成宮が落ち着いた声を出すと、祐はびくびく震えながら「ふぅ」と言って唇を尖らせ呼吸した。それがとても可愛らしかったので、成宮は微笑んで祐の顔に頬を寄せた。

 ずちずちと広がっていく濡れた厚い壁の隙間。

 集中しなければ意識ごと持っていかれそうなもの凄い感覚に眉をひそめ耐える。
 今までの経験など無意味だったと知る。

「あぁ……、祐のなか……す、すごい……」

 貴崎 祐の中に広がる宇宙に身を投じ、圧倒的な存在に成宮はただひれ伏した。

 それは神と繋がるのに等しい。

 どんどんと理性が薄れていく。
 出来る限り興奮を隠そうと奥歯を食いしばるのだか、余計に欲望が溢れ出してきて抑えきれなくなる。

「ぁ……祐……ちょ、ちょっと……ごめん」

「はッ……ぁあッ! やぁアァッ……と、まぁ……」

 柔らかな太ももに指を食い込ませ、祐の下半身を引っくり返すように持ち上げる。
 祐の身体は柔らかい。
 折り曲げた祐の膝をぺたりとシーツにくっつけて割り開いた。

 繋がった部分が薄明かりをてらてらと妖しく反射させている。
 恥ずかしさに震える祐の表情。
 なんていい景色なんだろうと、また意識が遠退く。

 膝をついて体勢を整え、真上から体重をかけて突き刺すように小さな身体をまっすぐ射貫いていく。

 蠕動する壁をこすり開いていく、肉々しい刺激。
 我慢出来ずにゆるゆると腰を動かすと、涙声とは裏腹に祐のほぐれた場所は硬直した熱いものをずぶずぶと、少しずつだがスムーズに呑み込んでいった。
 弓なりに背を反らせて祐が声をあげる。

「んあぁッ! 待っ……あアァ……ッッ!」

「……祐。も、全部ッ……はいる、から……」

 身体を揺するごとに断続的に響く幼い喘ぎが興奮を煽り、余計にスピードが増してしまう。

 勢い余り大きく反動をつけて腰を打ち付けた瞬間。
 ぐシュッ……。
 みずみずしい果実を突き刺したような感触と共に、祐との距離が無くなり、自分のものではない柔らかな肌がぴとりと足の付け根にくっついた。

 小動物のように早い祐の鼓動や呼吸を、内側から感じる。

「祐……わかる? 俺たち……やっと、ひとつに……繋がったよ……」

 祐は声も出せず、身体にナイフが刺さったかのように打ち震えていた。
 固まった手をそっと取り、蜜の溢れた接合部に触れさせてやると、祐は人形のような指先をぴくと反応させ「あ……」と声を発した。

「もう……これでっ、祐は、俺のものだし……俺は、祐のもの、だよ……。ぁあ……、祐っ、好きだ……ッ!」

 歓喜で理性が弾け飛んでいく。

 数多の苦痛や穢(けが)れが漂白されていく。

 化粧臭い女達の甘え声、支配欲に満ちた男共の肌。成宮が痛みに悶える姿を見てニヤつく口元も、一方的に求めてばかりの下品な身体も、何も無い世界。

 祐は全てを救ってくれる。
 爽やかな外見を演じながら嫉妬と憎悪に狂い、飢えて渇ききった空虚な成宮の内を、一瞬で満たしてくれる。

 自分は生きているのだと初めて実感した。
 ここに存在していいのだと、初めて言われた気がした。

 小さな身体にすがり付くように激しく愛撫し、何度も愛しい名前を呼んでいると、勝手に下半身が高みを求めて動き始める。

「ッ、ぁああ……ンッ……と、まぁ……す、すきぃ……ッ! ら、いすぅ、き……ッ!」

 こんなとろけた声は反則だと思う。

「祐っ……俺も! 祐のこと……ッ、全部ーー! ぁあ……イイ、祐ん、なか……すごくッ、きもちーーっ」

 頭の奥がぐらぐらと揺れて、本能むき出しの身体が反動をつけて力任せにリズムを刻む。

 肌がぶつかり合う音。
 悲鳴のような祐の声。
 張り詰めた二つの身体。繋がる部分が、まるで成宮の意識をもてあそぶように卑わいな音をたてて溶け合っていく。

 所有権を確かめるように、祐の全身を性急な手つきで撫で回す。小さな顔を伝う涙も涎も、全てが自分のものだと唇をあてる。
 飢えた獣の息づかいで目の前の獲物に喰らい付き、我を忘れて貪(むさぼ)り食う。

「はぁッ、アァッ、アァッッ!! んだ、め…ぇッ! でッ、出ちゃ……ッッ!!」

「好きだよ……ユウッ」

 祐の髪に指をさし、呪いの言葉を唱えるように言った。

「祐は、ずっと……ずっと前からっ、俺のッ……俺だけの、ものだ!」

 満たされていくと共に、いつか失う恐怖が膨れ上がる。
 二度と逃さないという狂気的な独占欲。
 そして腹の奥、目を背けたい一番醜い部分には、今までの苦痛の日々を全て幼馴染のせいにして、しっかり責任取れよという身勝手な思いも沸々とある。

「ぜったい、誰にも……誰にもッ、触れさせなイッッ!」

 多くの感情が泥みたく混じり合い、気がつけば小さな幼馴染の身体に成宮は全力で腰を打ち付けていた。

 激しさにベッドが軋む。
 粘液が泡立つ音。
 びくんびくんと跳ねる可愛い身体を見下ろす。
 部屋全体を小刻みに震わせながら絡み合う。

 狭かった祐の中は、こすれ合う熱とその激しさで、いつの間にか程よく成宮を受け入れてくれている。

「誰にも、渡さないッ、よ……、オレの……ッすべ、てだッッ……」

 体重をかけて祐の身体を固定し、夢中で何度も突き上げる。

 そしてそれは体験した事がないくらい短時間で、唐突に成宮を襲った。
 初体験の時の方がまだ持った。

 腹下の方から煮え立ち始めた血が全身に広がる。干上がった身体が、目の前の頂上をロックオン。真空に吸い込まれるように体中の感覚が無理やり高みへともっていかれる。

 糸が切れた操り人形のように揺れる祐の身体が、壊れてしまいそうなくらい強く打ち付ける。
 今までで一番深い場所。

「ああぁァ……ッゆ……ぅっッッ!!」

 ふわりと身体が浮く。
 上りつめたところで一瞬の無重力。

 生きてきて味わった中で最も長い一瞬であった。
 唇から溢れた唾液が一筋、顎を伝っていった。

 ついに、ただならぬ領域と繋がってしまった。
 貴崎 祐という有り得ない世界と!

 やがて雲の中にいるような一面真っ白の視界が、幾度も点滅し始める。

 ゆっくりと弧を描くように落ちていく。

 吐いた息がごぼごぼと海面に上っていくのを眺めながら、深い深い祐の中へゆっくりと沈んでいくようだった。

 ああ、これまでよりもずっと俺はこれに溺れていくのかと、ぼんやり考えたが、波に身をまかせるように初めて本物の快楽にゆらゆらと身を預けた。

 通信が途絶えるようにチカチカと点滅して、雑音にかき消されていく意識。

 力尽きて崩れ落ちた身体は、行き倒れ静かに息をひきとるよう緩やかに冷え、熱を失っていく。

 どちらのものかも分からない早く浅い鼓動と、小さく痙攣するどこか。

 最後に聴いたのは幻聴のような微かな息吹き。

 そうかこれが、幸せというやつかーー。




 目が覚めると室内は薄っすらと白み、冬の夜明け独特の凍える澄んだ気配を湛えていた。

 起きたというよりも意識が戻っただけだと感じる。

 幼児のような髪が寝起きの顔に触れてくすぐったい。
 自分よりも一回り小さな温もりを、オモチャを離さない子供のようにギュッと抱きしめ、成宮は眠っていたらしい。

 祐もまた、抱きまくらを抱くように成宮の背中に腕を回しよく眠っていた。
 祐は昔からぬいぐるみやマクラやらを抱きしめないと眠れない性格だった。あの頃と全然変わらないのだなと覚めきらない頭で考えてみる。

 透き通るように薄い陶器のような小さな肩が、腕の中で心地良さそうに寝息をたてている。心を鷲掴みにされるこの眩しい情景が余りにも刺激的で直視出来ずにいる。

 祐を起こすにはまだ早い。

 じっとしたまま瞳だけを動かして、昨晩の出来事を少しずつなぞっていく。

 思うに、昨夜は完全に理性を失い、本能むき出しの行為に及んでしまった。
 無理矢理ヤったと言ってもいい。
 随分と身勝手な台詞を口にしたような気もする。
 その上、祐は初体験だというのに最後は中へというのもどうだろう。

 自分が抱かれる場合を除き、情事の際にあそこまで余裕を無くした経験は無く、あんなに早くイッてしまったのも、そのまま気を失うように眠りについてしまったのも初めてだった。
 せめて事が終わった後に、濡れた恋人の身体を丁寧に拭いてやるくらいの余裕はあってもよかった。初体験を終え、成宮の想いを一滴残らず注がれた祐の身体はさぞかし美しかったことだろう。惜しいことをした。

 祐が嫌がるようなことは絶対にしないと、我ながらよく言えたものである。
 数え切れない場数を踏んでいただけに余計情けない。

 そもそも祐はいつの間に意識を無くしていたのだろう。
 成宮が達した時点で、祐の声は確実に消えていた。
 いつだ、いつーー。

 考えれば考えるほど分からなくなる。
 分かっているのは、完全に自分が暴走してしまった事。
 なんとなくだが、祐が待ってとかダメとか叫んでいた気がしなくもない。

 これは本格的に不味いのではと、成宮は徐々に血の気がひいていった。
 祐を、傷付けてしまった。

 あんな風にするなんてと責られても仕方がない。
 責められるだけならまだいいが、もうお前なんか嫌いだと言われたら。

 今すぐ祐を起こして真意を確かめてみたいが、知るのが怖過ぎるのも事実である。

 悲しい過去が蘇る。
 またあの時に逆戻りかとふと考えて、いやいやそんなの絶対無理だからと成宮は鼻で笑った。

 嫌だ。これは絶対に俺のだと所有権を主張するよう、祐を抱いた腕に力を入れると、成宮の腕の中にころんと上手く収まっていた頭がむぐむぐと動き始めた。
 成宮がじっと見守る中、祐が顔を上げた。人形に生命が宿った瞬間のように、ぱちりと眼を開く。

 仄かな朝の光を吸収する潤んだ漆黒の瞳が、目の前にある成宮の顔をしばらく見つめてから左右に揺れる。それからのぞき込む様にして下を向き、自分と成宮が裸なのを確認すると、祐はぼうっとしたまま頬を真っ赤にして下唇を噛んだ。

「ご、ごめん……起こしちゃった、ね」

 成宮の視線から逃げるように、祐は真っ黒な瞳を泳がせた。まさか成宮と顔を合わすのが嫌なのでは。
 祐の第一声に怯えて口火を切る。

「あ、あの……祐、昨日の夜は、本当にごめん……! 俺、全然余裕、無くしちゃってーー」

 ひと呼吸おいて、落ち着けと心の中で唱える。

「あんな風にするつもりは、無かったんだ、ホントに……ごめん。あ、あと……最後まで俺、えっと……なんて言うか、中に……祐の中に、けっこう、出しちゃった……」

 生々しい言い方になってしまったと気付いた時には既に遅く、祐は視線を合わせぬまま眼を大きく見開いた。
 とりあえずもう一度「ごめん」と付け加えておく。

 成宮が黙り込んだ後、しばらく祐は何も返事をしなかった。
「やっぱ、男同士とか、ちょっと無理かも」祐が語る第一声がまざまざと想像出来てしまう。

 息苦しさに冷や汗が吹き出す。
 祐の背中に回していた手に自然と力が入る。

 駄目だ、どうやっても受け入れられないと強く瞼を閉じた瞬間。鈴の音のような祐の声がした。

「嬉し、かった……すご、く」

 こわごわ眼を開くと、先程までよりいっそう潤んだ黒い瞳がうっとりとした上目遣いでこちらを見つめていた。
 祐は消え入る声でいった。

「とぉまが……なか、に……いっぱい入って、きた」

 成宮は言葉を失った。
 途切れ途切れの祐の言葉を何度も頭の中で復唱する。

 鼻先数センチにある火照った頬にそっと手をあてた。
 そして抑揚のない声で言った。

「祐……ごめん。俺……もう、たぶん……祐のこと、離してあげられないと、思う。だからーー」

「ごめん」と言うと、祐は少し怒ったように「お前……謝ってばっかだな」と呟いた。
 成宮はまた「ごめん」と言った。

 どれだけ謝っても切りがない。
 なにしろ今後どれだけ祐に嫌われ泣かれ暴れられようと、もう成宮の手から逃がしてやることは出来ない。たった今、祐のせいでそう決定してしまった。

 しばらくの間、見つめ合っていると思っていたら、いつの間にか祐の視線は焦点の合わないぼんやりとしたものになっていた。
 目の縁を紅く染め、いったい何を思い出しているのだろう。

 祐の顔をじっと見つめる。
 いわゆる喪失という、あれだ。

 こんな美味しく召し上がれと言ってるような表情のまま祐を外に出す訳にはいかないと、成宮は内心慌てた。
 お腹を空かせた野獣達にすぐさま取り囲まれてしまうに違いない。家に帰すのだって危険だ。家にはアイツがいる。

 本日をもって祐をこの部屋に閉じ込めておければ楽だが、そうもいかない。

 とりあえず今日の昼からあると言っていた弓道部の練習は何としてでも休ませよう。
 服でも隠して今日一日はベッドの中に祐をくくり付けてしまうのはどうか。成宮は真剣に考えた。

 いろいろと考えを巡らせていたら、いつの間にか部屋は朝日に包まれている。
 明るくなってきたというのに、一安心したせいか急に眠気に襲われる。

 小さな頭をのぞき込むと、祐も眠りに落ちようとしていた。

 少し大人びた色気が香るのは、裸で布団に入っているせいか。

 掛け布団をわずかに持ち上げると、射し込んだ朝日が祐のしなやかなシルエットを切り取る。
 布団の奥の暗い部分によく目を凝らす。

 寝息をたて始めた祐の耳元に顔を寄せて、甘い声で囁いた。

「ねえ、祐。写真撮ってもい?」

 祐の、裸の。

 すると寝ていたはずの祐が「ダメ」と言ってもぞもぞと動き、成宮が持ち上げていた掛け布団を引っ張り、肩までかぶるとまた寝てしまった。

 成宮も瞳を閉じ、小さな肩を抱き寄せる。
 祐の髪に頬をあてて微笑み、また囁く。

「じゃあ……動画は?」



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コメント

Re: けいったん様♪

けいったん様〜♪
こちらこそ今年もよろしくお願い致します。

ホント久しぶりにラブラブなR指定を書きましたよ^m^
それも今年最初の記事とは……登場人物2人よりハラハラな私(;´Д`)

そしてどんどん変態に磨きの掛かっていくうちの攻め。
な、なんと次回は……いかん。お口にチャック(;一_一)
今後あまりの変態振りで読者数が減っていったりするのでしょうか……?(え、誰に聞いてんの)
しかし成宮、もうお前は自分の道をひた走れε≡≡ヘ( ´Д`)ノ

私も昔はなろうサイトでBLを読みあさってた時期があったんですが、ここ数年は自分がアップするばかりで^^;
人様の作品読んじゃうと、自分の下手さ加減が嫌になってホントに文章書けなくなっちゃうんですよね(T T)

今年もひっそりとぼちぼち頑張っていくつもりです^^;
こんなんですが、またお付き合いくださいませ♪
ありがとうございました(^.^)/~~~



Re: A様♪

A様♪♪
明けましておめでとうございます☆

久しぶりの転じて吉、しかもR指定ということでかなりビビっておりましたが、楽しんで頂けると光栄です♪
そっかー半年振りくらいになるんですね^^;
一応2人の関係についてはこれで一区切り。本当は今回で『完』として、後は付け足しでちょこちょこ書いてもよかったんですが、まあ新作もあまり決まって無い事だし、少し2人のラブラブ期を……って後書きもですが、こうやって余計な事を書いてしまう(´д⊂)‥ハゥ

筆者の都合はさておき、おお、ホントだ!訪問者数のグラフが……!?嬉しいけど、一日だけそんなに突き出たグラフになると、他の日の訪問者数の少さが際立ってしまうのでは(笑)
今回よりブログ1話先行なので、小説家になろうサイトから来て下さった方が多かったのかなー。
なろうサイトは文章保存の目的が強かったんですが、案外あちらでも読んで下さってる方がいるんだなぁと、ちょっとビックリ。

次回も楽しんで貰えるといいんですが^^;
またお寄り下さい☆
ありがとうございました♪♪

新年早々 「R祭り」だぁ♪

久々に 16様の R場面を読んで気がします。ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪

祐の無垢で純粋な魂が、冬馬には 恐ろしい程 神聖で綺麗に見えてしますのでしょう。
まぁ 実際でも 祐は そうなのでしょうけど、冬馬は 何しろ穢れ腐り切った変態ですものねー(苦笑)

エロエロなのに アラームの音設定の件や 最後の写真と動画の件では、引き攣り笑いをさせて貰いました。
いやぁーやっぱり 冬馬って 超ド級の変態なんだわぁ~っと♪
しかも 祐との関係が より深く より強くなった今は、さらに 変態道に磨きがかかった気がするのは、私だけではないでしょう。。。d(≧ω≦)ネッネッ

祐に 番犬番狼よろしくな冬馬を見るのが 楽しみです。ちょっと 怖いけどね(*^-')b

16さま、「なろうサイト」も なさっておられたのですね!
私も 「なろうサイト」の好きな作品を読んだりしています。
ブログと共に 益々のご活躍を 期待し楽しみにしてま~す!
でも くれぐれも 無理はなさらいで下さいね。
今年も よろしく~~(〃⌒ー⌒〃)ノ゛゛゛゛~~~~~byebye☆ 

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