アンドロイドボーイ[第23話]

第23話『アンドロイドの涙』


「アンドロイドみゆゆは、今日で皆さんと……さよならすることに、なりました」

 声を詰まらせながらも、ステージ上のアンドロイドがはっきりとそう言った時、会場は一瞬静まりかえった。
 間をおかずに悲鳴混じりのどよめきが沸く。

「まず、謝らなければいけないのは……応援して下さったファンの方々です。みんなの支えがあれば、総選挙でセンターを取るのも、夢じゃないと本気で思っていました……」

 アンドロイドは、途切れ途切れの声を振り絞った。

「でも、私は、アンドロイドみゆゆは…、こ、いを……、恋を、してしまい、ました」

 再び静寂に包まれた会場に時折悲痛な叫びが飛ぶ。
 隣の男もまた「みゆゆー!!!」と嗚咽を漏らしながら叫んだ。

「いけないと分かっていたのに……。
 絶対に……絶対に叶わない、恋を、してしまいました」

 少女の姿をしたアンドロイドが震える両手で握りしめたマイクを顔の前にかざすと、スポットライトの鋭い光を乱反射させて、緩やかな煌(きら)めきが頬を伝った。

 誰もが言葉を失っているようだった。
 大勢の観客の前で弱々しく泣き崩れようとしているのは、どう見てもアンドロイドなどではなく、ただのちっぽけな人間に違いない。

 歌い、笑い、踊り、そしてさよならだと涙する。
 久遠が知っている二条院 学の姿よりも、ずっと生命力に溢れていて生々しく、血の通った人間である。
 これがーー目の前のステージに立っているのが、本当の二条院 学なのではないかと久遠は思った。
 いつも見ていた、真実一つ露(あらわ)にしないあの姿こそが、アンドロイドだったのかもしれない。

「いつの日か……運命の人とキスをして、本物の人間になることを夢見ていました……。でも愚かな私は、みんなを裏切り、泡になって消えることを選んでしまった……。
 だから……残念ながら、歌うことも、踊ることも……今日が最後です」
 みゆゆは瞳を閉じた。

「これで、お別れです……。本当に、ごめんなさい」

 一瞬あの大きな瞳と眼が合ったような気がして久遠はハッとしたが、すぐにその視線はそれていった。

「今まで、本当に……ありがとう」

 掠れた声で言って深く頭を下げた。そのまま崩れ落ちるようにステージ上にしゃがみこむ。
 そしてマイクを床に置いた。

 出来ることなら後ろから思いきり抱き締めたい。去っていく小さな背中を眼で追うことしか出来い歯痒さに、久遠は拳を強く握り込み、会場の沈んだ空気を噛み殺した。




【後書き】
1000文字ってこんなに短いんだね……という回でした。
ことごとくつまらない後書き!と言われるのを承知で、眠たい癖に今日はしょうもない話を一つ……(-_-)忙しい人は今すぐ仕事に戻りましょう。

何度言っても家族に相手にされないので、ここに独り言として残し、今後家族にこの件で同意を求めるのをやめる事を誓います。

私が言いたいのは『親戚のおっさんマジシャンの格好が気にくわない』ということです。
あ、やっぱり忙しいかも……と思った人や、親族にマジシャンがおられます方はお気を悪くされると申し訳ないので、今からでも間に合います、仕事に戻りましょう。

うちのマジック大好きな親戚のおいちゃん(兄ちゃん?)がマジックする時に、テカテカ光るスーツ着てキラキラの蝶ネクタイをするんです。結構マジシャンとしてはよくある格好?なのかもしれませんが、この冷めた三十路女から見ると、いかにも胡散臭さがあって、客としては身構えてしまう。訪問販売が来たときのようにね。

今から人の眼をあざむこうとする者が、何故そんないかにも怪しい格好をしているのか。
てめえ、いかにもマジックし始めそうな胡散臭い格好をしておきながら、本当にマジックをしてどうする!と、かれこれ十年近く思っています。
マジシャンみたいな格好してんなら、実はこの衣装で詩吟をご披露しますくらいの驚きを持ってきてみろ!と毎年思ってるんです、私。

いっそ、町工場の親父や、クーラーボックス持って釣りジャン着たおっさんの衣装にしろ!ということを、ずっと家族(おもに母)に訴え続けています。
作業着から鳩が飛び出した時の驚きったら無いと思うんだけどねえ。

ただ近年、歳をとり過ぎたせいか、 釣りジャンからトランプ出して「では好きな所でストップとーー」っとか……ちょっとウザいかもと思い始めてきた。
私がおばさんになる前に、あの衣装を考え直して欲しかった。
マジシャンが胡散臭い衣装を着にくくなる、世の中のシステムみたいなものがいつか出来ますように。

はぁ、なんだかスッキリした♪
本文くらい長くなってしまった。
いえ、いいです。賛否両論ありましょうが、所詮私の独り言なので、御批判は受付けかねます。

あ、すみません。次話はなんとか今週中にm(__)m
では。

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コメント

Re: C様♪

C様♪
コメントありがとうございます♪♪

そうなんです。必ず一族に一人はいるというの名物おじさんなんですね(*_*)
完全な他人ならまだしも、少なからず同じ血が流れているという切ない事情があるので、手放しに「阿保や阿保や」と言って笑えない辛さが……。
本人にも言える事は言ってます(笑) いや、皆さんが思ってる以上に「そこまで言っちゃう!?
」な所まで言ってるつもりなんですが、伝わらないものは伝わらないという……(;_;)

あ、次話は週明けになってしまうかも(>_<)
季節の変わり目はなんだかんだで忙しいですねー☆
そして何でこんなに眠いのだ……(*_*)

またお待ちしておりまーす\(^o^)/

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Re: けいったん様

けいったん様♪
コメントありがとうございます(^-^)v

そうなんです、親戚のおっさん(と言っても、皆さんが思ってるより若いかも)。ほんまに難儀な奴なんですわ(T-T)
いや、決して悪い人ではないのです!だからこそ余計に「ええい!その紐のマジック何回目やぁ!!」とか言えない。更に大阪人の悪乗りか、周りも捲し立ててる感じがあるしね(*_*)
母いわく「ええがな、好きにさしたったら。長生きするで」だそうです。こっちが逆にストレスたまって早死にするわ!
おっさんのせいか、最近はテレビのマジック見てても「なんちゅう格好しとんねん。釣りジャン着ろ」と思ってしまう自分が嫌。

あ、本編の話を忘れてました(笑)
次回、やっと二条院とご対面なるか!?
まだまだ振り回されそうな予感ですf(^^;

またお待ちしておりまーす(^o^)v

No title

アンドロイド美少女の実態は、人魚姫だったのでしょうか!?
だから 人間に恋して報われず 泡と消えちゃうの~~!ヾ(´д`;)ノぁゎぁゎ←ダジャレです(笑)

二条院は、久遠の存在を知っての告白なのでしょ?
もし 知らなかったとしても 聞いてしまったんだから 久遠も 後は 行動の身だよね♪
さっさと 行けぇーーー!εε=====≡゙ヽ(#`Д´)っ┌┛))ウラァァァォリャ☆)`з゚)ノノ ポルアァッ!!

親戚のマジシャンおじさん、「ホンマ ナンギな人やなぁー」で
それに「誰か 注意する人 おらへんかったん?」ですよねー。。。ε~( ̄、 ̄;)ゞフー と、大阪弁で言ってみる
こんな人を 大阪では 『おちょけ者』=悪ふざけする お調子者 と、言います。
そして 決まって言うのは 「アホやなぁー」です(笑)

では、私からも ひと言!
「おっちゃん、16さまが、 ホンマ 嫌がってんねんから アホな事してんと カンニンしたってぇなぁー」
アカンデェ~!ヾ(´囗`。)ノ...byebye☆

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