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アンドロイドボーイ[第9話]

 
第9話『妹』


 ガチャッ。

 背後に響くドアの音。

 振り返るが、部屋のドアは閉まっている。

 どうやらドアが開いたのは、別の部屋らしい。

 ほっとしたのも束の間、久遠の身体の下にいた二条院が、すごい勢いで飛び起きたので、久遠は「ぅおっ……」と言ってバランスを崩した。

 足音が近付いて来て、部屋の前で止まる。
 すぐさまノックの音。

「お兄ちゃーん? 居るの?」
 少女の声。

「あっ」と二条院は即座に立ち上がって、ドアに駆け寄った。
 シャツの裾をズボンにねじ込みながら、ドアの前で一度こちらを振り返った。

 顔を火照らせたまま、如何にも動揺している。
 二条院は袖で口元をぬぐってから、ドアノブを握った。

「お兄ちゃん。帰って来てるなら言ってよ!」

「ご、ごめん! 美優(みゆう)。
ちょっと前に帰って来てたんだけど……課題大変だろうから、邪魔しちゃ悪いかなって……」

 どうやら相手は二条院の妹。
 かなり怒っている。

 久遠は一人置いていかれたような気分で火照る身体を起こし、またベッドの縁にもたれかかった。

 可愛らしい顔と、場の雰囲気に飲まれて、気が付けば後戻り出来なくなるところだった。

 複雑な思いで、まだ熱い息を吐き出し、呼吸を整える。

「お兄ちゃん……メガネは? ってか顔真っ赤だよ……? ……えっ、何その手。 どうしたの? もしかして、また何かした!?」

「いや、何も…! これは、その、ちょっとリンゴ、剥いてみただけ……」

「ダメだよぉ。一人の時に包丁持たないって約束したじゃん! また救急車呼ばなきゃいけなくなるよ!?
どうしてリンゴなんて剥くのよぉ! 甘いものなら、冷蔵庫にケーキあったでしょ?」

 ならケーキを出せよと、久遠はドアの向こうの顔も知らない二条院の妹に同感した。

「ご、ごめん。その、どうしても……」

「どうしても?」
「いや……」
「何よ……?」
「いや、別に何も……」

 その時、恐らくだか、二条院の視線が部屋の方に向いたのだろうと久遠は思った。

「もしかして……誰か、いる?」
 さすが女の勘は鋭い。

「い、いない! いや、いるけど……た、ただの、友達……」

 その、ただの友達と、さっきまで抱き合ってキスしてたけどなーー。

「嘘。ホントにぃ? もしかして……彼女?」

 好奇心いっぱいの声の後、ガタンと一度ドアに何かがぶつかってから、「んもぉ、のいてよ! 邪魔!」という叫び声と共にドアは開いた。

 ドアの隙間から顔を覗かせたのは、長いウサギ耳の付いたフードをかぶる同い年くらいの少女だった。

 おお、可愛いーー。

 眼鏡を外した二条院の顔に、少し似ている。

 その少女ーー二条院の妹は、久遠の顔を見るなりはっと口元を押さえてドアの向こうに消えていった。

「嘘!? あれアースのドラムの人じゃん! お兄ちゃん友達なの!? 」

 アースというのは、以前久遠がドラムとして所属していたバンドだ。
 地元では一応名が通っているらしい。

「いやそれは……」と言葉を濁す二条院を押し退けて、二条院の妹は部屋に入ってきた。

「あの……アースのドラムやってた方ですよね?」
 恥ずかしそうに言って、部屋着のフードを外した。

 さらさらのストレートに、大きな瞳。
目鼻立ちも整っていて、女に興味のない久遠にでも、さぞかしモテるだろうと予想がついた。

「あ、すみません。私、妹の美優(みゆう)っていいます」

「あぁ……えっと、同じクラスの久遠です。
あの、実はアースのドラム、ちょっと前に抜けたんだ。ゴメン……」
 
「知ってます、友達に聞いて……。でも、私ホントに久遠さんのドラム大好きなんです! すっごくカッコよくて、ライブの時に見て感動しちゃいました!」

 祈るように胸の前で両手を握り、瞳を輝かせる美少女。
 普通の男子高校生なら舞い上がって喜ぶのだろうが、あいにくそうではない事が、逆に目の前の少女に申し訳ない気がした。

「そ、そうなんだ。ありがとう」

「どうして辞めちゃったんですか? 私、次のライブも楽しみにーー」
「おい、美優……!」と二条院が声をひそめる。
「あ、すみません」

「いいよ。せっかく楽しみにしててくれたのに、ゴメンな。たぶん次のライブまでには新しくドラム入れると思うからさ。良ければ行ってやってよ」

 少女は小さく微笑んでうなずいた。
 それから恥かしそうに視線を泳がせて言った。
「あの、実は私も音楽やってて……。もし良かったら、連絡先交換してもらってもいいですか?」

「あ……うん。二条院が知ってるから後で聞いて、連絡くれる?」

「はい!」と明るく言った後、「 やったぁ」と言いながら、ドアの所にいた二条院を、またドンと押し退けて部屋を出て行った。

「んもぅ、今度から帰って来たら声かけてよね! 曲聴いてたから全然気付かなかった、最悪。友達と会う約束してるから、お兄ちゃん帰って来るの待ってたのに!」

「ご、ごめん……」

 妹の捨て台詞に弱々しく謝る二条院。
 俺様メガネも、妹には頭が上がらないようだ。

 久遠はぼんやりとして足元を眺めた。
 どうも気分が沈む。
 落ち着かない。

 自分のファンだという美少女との連絡先交換をさしおいて、やはり原因はあの顔だ。

 その顔は暗い面持ちで部屋に戻って来た。






【後書き】
ふぅ(--;)
ちょっと時間たっちゃいましたね。

今週は別に何があった訳でも無いんですが、もーれつに気分が落ち込みまて……何だか沈んでました。何? 生理前だから?

本文も特に盛り上がる内容じゃなかったし(*_*)
ありきたりな文しか書けないけど、ええい! アップしてやる! ポチっとな(__)

次話は週明けかな。
さらば(眠)
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No title

朝から 低空飛行中の蚊を叩いて 夏用ラグに血が付いて 焦って洗濯中のけいったんです。
私の血を いっぱい吸って 高く飛べなかったのね…(;´д`)ノはうぅ

と、こんな話をしている場合では無かった!((( ○┓ペコッリ[謝罪]
二条院と久遠が、あのまま 突っ走るかと ハラハラ・ドキドキしてたのに~~!
妹ちゃんの登場は、間が良いのか悪いのか…(苦笑)

何所か 投げやりな感じがある久遠
もしかして バンドを止めた事に 原因ありなのかな?
(○’ω’○)ん?それって…
まさか まさかの 痴情のもつれーーー!
カモ───(ゞo'∀')ゞ───ン!!☆バッチコ━━━щ(゚Д゚щ)━━━ィ...byebye☆

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