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二度瞬く [第十五話]

[注:BL要素の性描写が含まれますのでご注意下さい]

 「よっしゃ来――い!!」な腐女子・腐男子のみ続きを読むからどうぞ↓<(_ _)>


 『幽霊の夢』


「祐? ちゃんとこっち見て。よそ見しちゃだめだよ」

 貴崎の長い前髪に触れながら、成宮が上から言う。
 
「そう……、口を動かすのも忘れないでね」

 この二日間で、貴崎は変わった。
 自分でもそう確信している。

 想像を絶するような、こんな恥ずかしいことも簡単に出来てしまう程なのだから。

 もちろんこれが他人の夢の中だからというのもあるし、貴崎自身が実は現実世界ではとっくに存在しない、つまり死んでしまっているという理由もある。
  
 でも一番の理由は、本気で人を好きになったから。
 
 一言で言うと、大人になったからだ。と、貴崎自身は思っている。

 そんな大人な貴崎は今、有意義にかまえる幼馴染の正面に忠誠を誓うかのようにひざまずき、教えられた通り、両手と口を使ってみだらな行為に集中している。
 時々曇りガラスの向こうを通り過ぎる人影や話声に、どきりとして動きを止める。

「もっと濡らさなきゃ、祐の中は狭いから奥まで入らないと思うよ? ほら、祐が大好きなアイス舐めるみたいにしてさ、もっとぺろぺろしてみて」

 忙しなく舌を動かしながら、視線は幼馴染の嬉しそうな表情を見上げる。

「祐がアイスキャンディー舐めてるの見るたびに、こういう風にしてほしいって思ってたんだ」
 本日何度目かの変態発言。
 この幼馴染ときたら、外観の爽やかさからは想像もつかないような、淫らな妄想癖をもっている。
 



 幼馴染との初体験から丸二日。
 
 成宮が眠りにつくたびに貴崎は夢の中に侵入し、お互いの気持ちを確かめ合うことに明け暮れていた。
 既に夢の中で身体を繋げた回数は、両手を使わなければ数えられない。
 はじめは自室のベッドといったシンプルなシチュエーションだったが、徐々に学校の図書室や保健室といったアブノーマルな設定の夢に変化しつつある。
 どうやら学校で貴崎を見るたびに、成宮はそんな妄想していたらしい。

 バカ冬馬とつぶやきたくなる一方で、求められていたことへの嬉しさと、それに気付かなかった自分を責める気持ちが入り混じる。

 今日の夢は、薄暗い体育館の倉庫。
 貴崎は体育のジャージを着ている。

 校内を探し回り、やっとここで成宮を見つけた。
 嬉しさを隠しきれずに、おずおずと小さな声をかけて貴崎が近寄ると、跳び箱に軽く腰を掛け、貴崎を待っていたらしい成宮は「やあ、祐」と一言いい、いきなり唇を深く繋げ、その場に貴崎を押し倒した。

 性急にシャツがめくり上げられ、ジャージの中に熱い手が入り込む。
 運動用のマットの上で、思う存分全身を愛撫され、貴崎は触れられるだけの刺激で一度幼馴染の手の中で達してしまった。

 思い出すだけで身体が反応してしまうような狂おしい行為に何度も身を投じた結果、成宮の身体と自分の身体の成長には、思っていた以上に大きな差があるのだと、貴崎は最近気がついた。
 同い年とは思えないほど、成宮の身体はもうしっかりと成熟している。

 その成長の証しともいえる硬く大きなものに、貴崎は舌を這わせ、自分の体液を塗りつけて濡らしていく。
 とうてい貴崎の小さな口には納まりきらないが、時々先端を口内に含み強く吸い上げると、成宮の整った眉がぴくりと動き、気持ちよさを逃すように浅く息を吐き出す。
 その反応を見ているだけで、何故か嬉しくなる。

「祐……立って。後ろ向いて、ここに手ついてごらん」 
 言われるまま跳び箱に両手をついて、成宮に背をむけた。
 
 幼馴染の熱い唇が背筋から腰まで滑っていき、時々ちくりとした刺激をほどこして、貴崎を追いつめていく。
 それを堪えてぎゅっと目を瞑ると、耳元で低い声が囁いた。
 背中に密着する成宮の温もりを、もっと深く感じたいと下半身がうずく。
 
 言われた通り卑猥な言葉を連ねておねだりすると、ほどなくして成宮が中に入ってきた。
 何度も受け入れ、少しは慣れたはずなのに、貴崎の身体はいまだ余裕がなく、後ろから強く抱きしめられていなければ膝ががくがくと震え、身体を支えられない。 
 
 頭をたれて甘い声を漏らすと、大きな手が頬を包み込み顎を持ち上げた。

「声、我慢しなきゃね。俺達がこんな事してるって、みんなにバレちゃうよ? 俺は別にいいけどさ」
 貴崎の顎を伝うよだれを舐め取りながら、成宮が艶めいた声で悪戯に笑うと、言ったそばから廊下を歩く足音が聞こえだす。
 この性悪め。
 
「っやぁ……! ……ァぁああッ」
「すごいね、祐の体。俺のを全部呑み込んじゃったよ、美味しそうに。そんなに好き? 俺のこと」
 下唇をぐっと噛んで声が漏れるのを抑えながら、首を縦に振る。
 
 俺もだよと成宮が切なげに言う。
 「祐は俺の――」

 すべてだよ。
 何度も聞いた台詞に、また心が満たされていく。




「今日はどこへ行きたい?」
 壁にもたれかかった成宮に火照った身体をあずけていると、先ほどまでの激しい行為を思わせない優しい声が耳元で響く。
 貴崎は瞳だけを動かした。

「どこでも、いい……冬馬と一緒なら」
 弱く本音をつぶやく貴崎の頭を、成宮はそっと撫でた。
「祐が好きそうな場所は……。カリフォルニアのディズニーランドは昨日行ったし、イエローナイフにも行ったよね……じゃあ、ドバイとか北京とか……あ、空飛ぶ絨毯でピラミッドを見に行くってのは? 祐、そういう子供っぽいの好きだろ?」
 夢の中では絨毯だって平気で空を飛ぶ。夢ならではのアトラクションには多いに興味があるが、子供っぽいというのが余計だ。

「冬馬の行きたい場所でいい……」
「俺の行きたい場所? そうだな……」
 どうしようかと呟きながら、成宮は楽しそうに宙に視線を泳がせる。広い肩に頬を乗せたまま、その顔に見とれる。

「でも冬馬、今日はちゃんと部活行けよな」
「部活? ああ……部活、ね……」
 成宮は曖昧な返事をした。
 
 父親の仕事のせいで、長い休みのたびに海外に出掛けていた成宮は、夢の中で、貴崎が行ったこともない、それこそ夢のような世界に連れて行ってくれる。
 オーロラを見たり、水上ヴィラに泊まったり。
 海外はおろか本州から出たこともない貴崎にとっては、悲しいことに、生きている時のどの思い出よりも楽しい時間だった。

 あまりにも貴崎が夢中になりすぎたせいか、昨日の朝、成宮は夢から覚めず、そのまま夕方までダラダラと浅い眠りにつき、夢の中でずっと貴崎とイチャついていたのだ。
 よって、合宿をひかえた大切な時期に部活を無断で休んでしまった。
 いけないと思いつつも、実際のところ夢から覚めようとする成宮を、寂しそうな仕草で引き止めてしまった貴崎にも責任がある。
 だから今日は何としてでも成宮が部活に行くよう仕向けなければならない。




「あるよ、俺が祐を連れて行きたい場所。でもその前に……」

 その言葉に顔を上げた瞬間。
 もうそこは体育館の薄暗い倉庫ではなかった。

 眩しい日光が真正面から射し込む。
 薄目を開けると、そこは車内。
 貴崎は車の助手席に座っていた。
 内装は、兄の車にとてもよく似ている。
 
 そしてフロントガラスの向こうは――。

「おい、これ……」
 どんな素敵な場所へ瞬間移動するのかと思えば、ここにはうんざりするくらい見覚えがある。
 砂利を敷いた広いだけの駐車場の奥には、今時珍しい古さの木造二階建てがひっそりと建っており、その向こうには黒々とした森が広がる。
 敷地の端に集められた枯葉、壊れかけの犬小屋、火気厳禁の張り紙。

「ここ、俺の家だろ……。お前が行きたい場所って――」
 
 少しがっかりして隣を振り向き、貴崎ははっとした。
 運転席に座っているのは成宮ではない。
 詳しく言えば貴崎が知っている成宮ではなかった。

「祐? 着いたよ。時間ぎりぎりだったね、早く仕事を切り上げてきて良かったよ」
 さらりと言いながらエンジンを切り、車の鍵を引き抜く。

 その男は成宮に瓜二つ。なのに、成宮とは少し違う。
 体格も身長も、貴崎の知っている成宮よりもずっと大きい。茶髪に近かった髪の色が、焦げ茶色に変色しているし、瞳の色も少し青みがかっている。
 皺の無い濃紺のスーツを着て、どうやらここまで車を運転して来た様子だ。

「冬馬……なのか?」
 戸惑う貴崎をよそに、始まったばかりの夢はどんどんと進行を続ける。

「大丈夫だよ、きっとおじさんも話せば分かってくれるさ。俺達ももう子供じゃないんだから、自分達の将来くらい自分達で決めて当然だよ。まあ、始めはちょっと驚くだろうけど……」
 
 これはきっと、成宮の成長した姿だ。 
 成長した成宮はバックミラーに顔を寄せ、ネクタイを直し始めた。
 高校生の時よりも格段に大人びていて、格好良いと言える。きっと今より更に女にはモテるだろう。
 それに引き換え貴崎の身体は相変わらず小さく、高校の制服を着たままで、成長した様子は無い。

「は、話すって……親父に、何話すんだよ」
 すると幼馴染は笑った。
「何言ってるんだよ、今さら。ちゃんとおじさんに言ってくれたんだろ? 会わせたい人がいるって。
 もう旅行まで二週間しかないし、早く挨拶しとかなきゃ……。ああ、それと――」

 ミラー越しに少し照れた様子を見せ、成宮は嬉しそうに続ける。
「あの教会、言ってた日程で予約とれたよ。やっぱり男同士でも大丈夫だってさ。おばあちゃんの家から車で一時間くらいだから、ホテルは予約しなくても良さそうだし……。あ、だから指輪は、来週末に受け取りに行こう。結婚式に間に合って良かったよ」
 
「結婚、式……?」
「子供の時から祐はこだわってたもんね、結婚式。約束、守れそうで良かった……」
 感慨深げに言ってから、身をかがめて貴崎の唇に触れるだけのキスをした。

「冬馬、もしかして……。お前が俺を連れて行きたい場所って……」

「ん? ……教会のこと? すごく素敵な教会なんだ、大きなステンドグラスがあってね……きっと祐も気に入るよ。二人きりの結婚式だけど、ちゃんと愛を誓い合う大切な場所だ」
 
  
 これは未来――の夢。
 成宮の母の母国で挙式をあげるつもりなのか、その旅行へ行く前に、貴崎の実家に成宮が挨拶しに行くという設定らしい。
 息子さんを下さいとでも親父に言うつもりなのだろうか。
 
 一瞬嬉しくなった貴崎だったが、すぐに怖くなった。
 
 教会、指輪、結婚式。
 神の前で永遠の愛を誓う。
 
 誓うって、何をだ――。
 
 貴崎には誓えることなど一つもない。
 なにしろ人がいつか必ず死ぬのと同じ確立で、こんな未来など絶対に来ないと分かっている。
 せめて夢の中でくらい――そんな風に思えれば楽なのだろうが、それがどうにも貴崎には出来なかった。

 だいたい、どこのどいつか知らないが、神と呼ばれる大きな存在を前にして、死んでしまってから堂々と一生の愛を誓うだなんて勇気は、貴崎にあるはずがない。

 成宮の隣で永遠の愛を誓うのは、男でも女でもいい。とにかく成宮のことを生涯愛し続け、成宮を幸せにしてやれる人物でなければならない。
 どんな人物かは想像もつかないが、少なくともそれは百パーセント、貴崎祐ではないのだ。

 なぜなら死んだ貴崎にそんな力は無い。
 どんなに夢の中で愛を誓っても、どれだけ身体を繋げても、成宮の将来を数ミリたりとも幸せに導いてやれることなど出来ない。

 貴崎は自分の無力さと無意味さを知った。

 今まで成宮に辛い思いをさせた分、少しでもその想いに報いたい。たとえ夢の中でも、それが成宮の幸せに繋がると漠然と信じ込んでいた。

 でも、そんなことは全て無意味だ。
 貴崎の自己満足でしかない。
 
 どうやっても貴崎が死んだという現実は変えられない。
 ならば当然、その現実に直面する成宮の未来など、変えられようはずもない。 

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、祐。早く行って、早く終わらせよう。まだこの後、引越しの買い物だって行かなきゃいけないし。ダブルベットは今日決めないと引越しの日に間に合わないよ?」
 後部座席の足元に置かれた紙袋に手を伸ばしながら、成宮は早口に言った。

 そんな夢を見せてはいけない。
 貴崎はとっさにそう思った。

「冬馬……俺。その……ご、ごめんっ……!」
 
 言ったと同時にドアを開けて外へ飛び出る。
 
 背後から成宮が呼ぶのも振り返らずに、全力で走り出す。




「祐――っ!?」
 
 背後から声が追いかけてくる。
 道路に飛び出し、境内の外周を走り抜ける。
 
 隠れる場所を探しながら駆けていると、鳥居の前まで来て、見覚えのある車が視界に入った。
 見間違いだろうと通り過ぎたが、数歩走って引き返した。
 
 奥まった脇道に停められている、車高の低い純白のボディー。
 間違いない。ユウコの車だ。

 どうして成宮の夢に――。そんなことよりも今は隠れる方が優先だと、ドアに手をかけると、運の良いことにロックはかかっていない。
 貴崎は後ろを振り返り、成宮の姿が見えない事を確認してから助手席に飛び込んだ。   

 これでひとまず安心だ。

「ごめん。もしかして、キス、初めてだった?」

 誰もいなかったはずの運転席から静かな声がかかり、貴崎はぎょっとした。
 声に聞き覚えはなかったが、何故か背筋が凍りつく。
 
「本当に可愛いね、君」

 運転席を振り向き、貴崎は思い出した。
 ユウコと、自分を殺したあの男は、同じ色の同じ車種の車に乗っていた。
 そして今貴崎が乗っているこの車には、ユウコの車に搭載されていたような最新型のカーナビもなければ、趣味の悪い交通安全守りの束も揺れていない。

 この車が、あの男の――貴崎を殺した男の車だとしたら。
 目の前で笑っているこの男が、自分を殺した殺人犯ということになる。

 そういえばこんな顔だったかもしれない。

 その程度の感想しかなかった。
 ここ数日成宮のことしか頭になく、こんな男のことなどすっかりと忘れていた。
 運が良ければユウコが探し出してくれるだろうが、ここへ来て貴崎の運勢が良くなるとも思えず、もうどうでもいいと思っていたのが正直なところ。
 まさかこんな所で――どうして成宮の夢の中に。

 気がつけばフロントガラスの向こうは闇。遠くに無数の小さな電飾がきらめく。
 いつのまにかそこは、あの時と同じ、殺人現場と化していた。

 男は運転席から身を乗り出し、あの時と同じように貴崎の肩に手をかけ、顔を寄せた。

 自分と同じくらい冷たい唇。粘り気のあるキスに口をゆがめる。
 自然と唇を開いてしまいたくなるような、成宮との澄んだキスを思い出す。
 
 突如として現れた悪夢のような出来事の再来に、貴崎は全力で拒絶し抵抗したが、男のざらざらとした舌は貴崎の唇を割って口内を犯し始めた。 

「大人しくしてくれないか。無理やり犯すのは趣味じゃない」

 あの時と全く同じだ。
 背もたれが勢いよく倒され、男が上に圧し掛かる。
 窮屈な暗い車内で、上から見下す、生命の温もりを感じさせない男の表情。

「ならこうしよう。暴れられるとゆっくり楽しめないからね。一日に一人でも二人でも同じことだ」

 男の両手が貴崎の細い首に回った。

「犯すか、殺るか、どちらが先でも俺はいいんだ。
 君がそのつもりなら、先に静かになってもらおう。俺の相手をしてくれるのは、あとでいい。死んだあとでね」

 首にあてがわれた男の両手にぐっと力がこもる。
 それを掻きむしって離そうとするが、男の指は貴崎の細い首に余裕をもって一周し、その上きつく吸い付いて剥がれない。
 この後の展開は知っている。
 それでも――。 

「……ぃや……。嫌だッ……死……く、な、いっ……!」

 もうとっくに死んでいるから死なないのだろうが、あの時の苦しみをまた味わうのはごめんだ。
 男が手を緩めて鼻で笑う。
 
「悪いのは君だよ? いくらでも逃げるチャンスはあげたはずだ。
 成宮君といったか、あの子だって君を助けようとしてくれたんだろ? 君はその助けを蹴って、ここにいるんじゃないのか? この選択肢を選んだのは君だ。ナンパされて、何も考えずに殺人犯にのこのこと付いて来てしまった。同情の余地はないと思うけどなあ」
 
 そんなことは分かっている。悪いのは貴崎だ。
 
 その上あの日、暴言を吐いて成宮を傷つけた。
 あんなにも貴崎のことを想っているのに、幼馴染はどんなに傷ついただろうか。

 そうだ――まだあの時の事を、謝っていない。

 車外は暗闇のはずなのに、サイドミラーには貴崎が駆けて来た町並みや神社の鳥居が映り込んでいる。
 やはりこれは夢の中だ。
 貴崎を追って駆けてきた成宮が、車内の異変に足を止め、不信に眉をひそめた。

 また男は笑う。

「君は本当に可愛い。誰でもよかったのに……まさか君のような子に、それも手付かずの綺麗なまま出会えるなんて。奇跡だ」 
 男が上半身を乗り出し、両腕に体重をかける。
  
「怖がらなくてもいい。死んでも君を一人にはしない。俺の近くに置いてあげよう。
 身体は温かいうちに抱かさせてもらうよ」
 
 意識が薄れる。
 かすむ視界の中、サイドミラーの中で成宮がこちらを見つめている。
 貴崎が殺される光景を目の当たりにし、血の気の引いた様子で両目を見開き、呆然と立ちすくんでいる。 

「……ッ、とお……ま……」

 見るなと言いたかったのか、助けてと言いたかったのか。 
 とにかく貴崎は、またあの時と同じように、幼馴染の名を呼んだ。




 見慣れた部屋のベッドで目を覚ますと、もう夕方の四時だった。
 成宮は部活に行ったのか、ベッドの中にぬくもりは無い。
 幼馴染の香りがするシーツに顔を擦りつけ、濡れていた目元を拭く。
 
 今のは、俺の夢……か――。

 貴崎はぐったりとして、枕に顔をうずめる。
 
 どこまでが成宮の夢で、どこからが貴崎自身の夢なのか定かではないが、とにかく後半は酷い悪夢だった。
 幽霊が全身にびっしょりと冷汗をかくほどの悪夢。

 お陰で一つ大切な事を思い出した。
 貴崎が成宮に会いに来た本来の目的。

 暗くなり始めた部屋の中で、貴崎は夢うつつに考える。
  
 幽霊も夢を見るのか。
  
 弱々しい日の光が貫く、透き通った自分の手の甲を眺め、ぼんやりと思う。

 きっと、消えてしまうのだろう。
 そう遠くはないうちに。

 
 



【後書】大変遅くなりました<(_ _)>
 もう毎回この挨拶からですね……(^^;)

 いつもは訳分からん理由なんですが、今回はちょっと事情が違いまして♪
 良性ブログでは書きましたが、就職が決定致しました!!Uo・ェ・oU/゜・:*【祝】*:・゜\Uo・ェ・oU
 新しい職場に通い始めてから執筆再開して、今日になってしまいました。
 だから一ヶ月程間が開きましたが、書いてた時間はそう長くないんですね(-_-;)アカンガナ…

 いや~なんという開放感☆ミ この夏はホント長かった~!
 (* ̄∇ ̄)/゜・:*【祝転職】*:・゜\( ̄∇ ̄*)

 気がつけばこのお話も第十五話。
 こんなむちゃくちゃな設定で、この亀更新……本当に付いて来て下さっている方なんているのだろうか……。今回の内容上、やむを得なく前の話を読み返してて自爆。ひどい……。
 と言いつつ、実は後4~5話で完結になりますε-(;ーωーA フゥ…いや、良かった。
 開始当初は相当な季節外れの内容でしたが、今になって丁度良い季節になってしまいました。結局一年近く書いてるって事になるよね……毎日執筆したら一ヶ月たらずで終わるのに( ̄Д ̄;;
 
 今回の内容はあまり詳しく考えてなかったので、内容決めて書き出すまでに時間がかかってしまいました(;´Д`A ``` 久しぶりに字数を気にしてみたら七千超……、もう麻痺しとんでしょうな~(ひとごと……)
 次回からはエンディングに向けて話を進めていく予定です。
 年末、年が明けるか明けないか辺りのお話なので、同じ時期に最終話更新&完結できるとベストだなと思っていますく( ̄△ ̄)ノガンバレェェェ!!
 
 それでは後程、また別枠でコメレスさせて頂きます♪♪
 ではでは<(_ _)>
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テーマ : 自作BL連載小説 - ジャンル : 小説・文学

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夢でも 悪夢は イヤだよ~(TT)

成宮と 祐の ラブな夢も 祐が 死んでる現実を 考えると 刹那いですよね。 楽しい夢を 見れば見るほど・・・
でも あの男が 出て来る 悪夢を 見るなんて、それは それで 可哀想です。 

夢の中とはいえ 祐が 自分が 父さんと呼んでいる あの男に 殺される場面を 見た 冬馬は どんな気持ちだろう?
何か 行動を起こしてくれたら いいけど 夢だからなぁ~

16さま、就職 おめでとう♪  お忙しいと お察しします。 体調も 崩し易い時季ですので くれぐれも
無理をしないで お体を 大切にして お過ごし下さいませ~。
では またね♪ (^0^)ゞbyebye☆


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