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二度瞬く [第十一話]

[注:貴崎視点に戻ります]


『悪夢』


「とぉま――! とおまァ――っ」
 
 小さな靴音と、舌足らずの幼い呼び声に顔を上げる。

 涙で水没した視界。
 感情を失った幼馴染の顔が格子戸の向こうへ消え去ってから、そう長くは経っていない。
 これ以上なく乱れた真紅のシーツの上に一人取り残されて、途方にくれていた。

「とぉまぁ――! ごめんっ、遅くなったぁ」
 無邪気な少年の声と共に、格子戸のすぐ傍まで駆け寄って来た靴音が突然止む。
 
 恐る恐るベッドから降り、格子の向こう側を静かに覗くと、いつの間にか日はどっぷりと沈んでいた。
 社を照らす唯一の光源である薄暗い街頭には蛾が数匹舞う。
 石段の向こうの暗がりには、控えめな夜景が密やかに瞬いていた。
 
 黄ばんだ蛍光灯に照らされて小さな影が二つ、ぎゅっと抱き合っている。
 
「待った?」
「さっき来たとこだよ」
「これ釣ってたら遅くなったぁ」
 抱き合った二つの小さな影のうち、更に小さい方の影がごそごそと動きだし、手首にぶら下げていた物を顔の高さにかざす。
 巾着型のビニール袋には、闇がたゆたゆと満ち、照らす光よりも美しく澄んだ光を乱反射させていた。

「金魚? わ、可愛いね。二匹いる」
「このちっちゃい方がなかなか釣れなくてさぁ。ずっと二匹で仲良さそうに泳いでたから、一緒に持って帰ってやんないと寂しいかなって……」
「祐は優しいんだね」
 そう言って小さい方の影の頭を撫でるのは、ポロシャツにジーンズ姿の小学校低学年と思しき少年。茶色がかった髪といい、照らし出された甘い笑みといい、どうやら成宮冬馬の幼い頃の姿らしい。

 そして頭を撫でられている方の少年は、金魚が入っているというビニール袋を持って、腕にはヨーヨー。如何にも夏祭りの帰りですと言わんばかりに、見覚えのある柄の浴衣を着ている。
 数年前に亡くなった貴崎の祖母が手縫いしてくれた子供用の浴衣。
 女の子みたいだと馬鹿にされるのが嫌で数度しか袖を通したことがない。今でも実家の和箪笥を肥やしているであろう。
 ということは――やはり、あの少年は貴崎の幼い頃の姿か。

「大きい方が冬馬の金魚でぇ、小さい方が俺のな。参道の横にある、あの手を洗う石の水槽みたいな所で飼おう。あそこならずっと水涌いてるから」
 得意気に言うその間も、貴崎少年は成宮少年の手を片時も放さずに握り締めている。
 
 幼い頃の姿とはいえ、はたから自分の姿を見るというのは、どうも可笑しな感じだ。盗撮された映像を見るようで居心地が悪い。
 貴崎は眉をひそめたまま濡れた目元を手の甲でぬぐった。

「手水舎のこと? おじさん怒らないかなあ」
「大丈夫だろぉ。俺いっつも犬のシャンプーとか、あそこでしてるし……。この前だってカルピス風呂にしてやったけど、何も言われなかったよ」
「祐、そんなことしたの……?」
「うん。あの、水が湧き出てる龍の口にさ、カルピスの原液入れたんだ。そしたらいい感じでカルピスが湧き出てきてさぁ、んで俺海パンはいて、ゴーグルして潜ったんだぜ」
「祐はほんとカルピス好きだよね」
「うん! でも思ったより気持ちよくなかったな……なんか泳いだ後、身体べとべとしてさ」

 その話なら覚えている。
 カルピスの中で泳ぐという長年の夢をかなえたのは夏の日の暑い午後だった。
 点検作業のせいで夏休みの市民プールが休みになった日だ。

「それより、とおまぁ……。あいつら、何か言ってたか……?」
 話しづらそうに声をひそめ、貴崎少年は上目遣いで幼馴染を見上げた。
「あいつら? ……ああ、隣のクラスの?」
 小さな影がうなずく。
「大丈夫だよ。みんな怒ったりしてなかった……、祐のこと心配してたよ」
「ほ、ほんとっ!?」
「うん。だから明日学校で、みんなにちゃんと謝らなきゃだめだよ」
「や、やだよ……あいつらが悪いんだ。うちの家のこと馬鹿にしてきたから……」
「でも、だからって人を叩いたりしちゃ駄目だろ? そんなことしたら友達いなくなっちゃうよ?」

 貴崎少年は、また大きな影にぎゅっと抱きつき、拗ねたように顔を隠した。
「いいよぉ別に……。冬馬がいるからいい。冬馬とずっと一緒だから、友達なんかいらない」 
「だ、だめだよ……そんなの……。俺だって、ずっと一緒には、いられないかも……」
 
 成宮が言葉を濁らせるやいなや、貴崎少年は急に身体を離し、成宮を叩くように両手で突き飛ばした。とはいっても、兄弟に間違われるほどの体格差があるのだ。幼馴染は困った顔で一二歩後ずさっただけであった。

「なんだよッ! ずっと一緒って言ったじゃないか! とぉまは俺と結婚するんだろ!?」
「祐っ……落ち着いて……! だから……その、無理なんだ……。男同士は、結婚できないんだよ……」
 
 なだめる成宮を数歩離れた場所から睨み上げた後、その顔は次第にくずれて泣き顔へ変わる。
 一度肩で大きくしゃくり上げた後、少年は手に持っている物を全て地面に投げつけた。

「冬馬のうそつき!」
「祐! そんなことしたら金魚死んじゃうよっ!?」
 土の上で弾けとんだビニール袋の中身に、慌てて成宮が駆け寄る。
 束の間その様子を見下ろしていた少年は、踵を返して無言で走り去ってしまった。
 しゃがみこみこんで地面に放り出された金魚を掬い上げた成宮少年は、両手を丸めたまま小走りで社の裏へ走って行く。
 
 そして結局、格子の向こうには誰もいなくなってしまった。
 
 今のは成宮の幼い頃の思い出か。
 残念ながら貴崎にはこの夏祭りの夜の出来事が記憶にない。具体的に何歳の時の夏休みなのかも判断がつかない。
 ただ、地面に叩き突きつけたビニール袋が弾け、二匹の金魚が土の上に投げ出されて跳ねる光景だけは覚えている。


 

 いつの間にか社は濃い霧に包まれ、視界が白み始めた。
 
「祐……。俺のこと、まだ嫌い?」
 
 深い霧の中から急に聞こえてきた静かな声が、思いの外近かったので、貴崎は驚き戸から離れる。

「うん、嫌ぃ。大嫌い」
 社の格子戸を隔てて、わずか数十センチの近さに二人はいた。
 小さな賽銭箱の前で、こちらに背を向けて、またしても幼い姿の成宮が腰を下ろしている。その膝に頭を乗せて仰向けに寝転がり、分厚い漫画を読んでいるのは貴崎少年だ。

「どうして?」
 膝の上にある小さな頭の前髪を触りながら成宮が優しく聞くと、少年はぷいと横を向き、また漫画を読み始める。
「だって、俺と結婚できないって言うから……だから、嫌い。冬馬なんて大嫌いだ」

「祐、その話だけど……。外国では、男同士でも結婚できる国があるらしいよ。もしかしたらママの国も、そうかもしれないってパパが言ってた……」
 恥ずかしそうに頬を染めて成宮が小さな声で言うと、膝枕をされていた少年が勢いよく起き上がったので、危うく頭をぶつけそうになる。

「ほんとっ!?」
「う、うん。パパはいろんな国に行ってるからね。本当だと思う……」 

「じゃあ、決まりだな。いつにする?」
「いつ……って?」
「結婚式だよぉ。夏休みは、もう終わっちゃうし無理かなあ……。じゃあ冬休みは?」
「そ、それは、ちょっと、早すぎないかな……。まだ、俺達小学生だし……」
「俺ちょっと家に帰って親父に聞いてくる! 冬休みに冬馬と一緒に外国行っていいか」
「えっ! ちょっ……、祐!」

 成宮が止めるのも聞かずに走り出した貴崎少年は、何かを思い出したように突然足を止めた。
「あ、そだ。忘れてた。はい……冬馬……」
「な、なに?」
「何って……ちう、だろ! ちうぅっ!」
 目を閉じ口を尖らせていた顔が、怒ったように頬を赤らめる。

「ちうって……もしかして、チュ―のこと?」
「うん! そう。……ちう」
「ゆ、祐ってば……。キスなら、この間したよね……」
「あれはご褒美のちうだろぉ!? 俺がみんなに謝れたから……お利口だから、ちうしたんだろ。そうじゃなくって、バイバイのちう!」
「バイバイ、の……?」
 貴崎少年は呆れ顔で幼馴染を見上げた。

「外国ではこんにちはと、さようならの時にキスするんだろ? 俺、ちゃんと図書室の本読んで、冬馬のおばあちゃんの家に行く時のために勉強してるんだからなッ!」
 
 社の中からその様子を見ていた貴崎は、耐え切れずに口元を手で押さえた。
 恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。
 我ながら、なんて餓鬼だ。
 阿呆なのだろう。
 それはいいとしても、これではまるで、成宮をその気にさせたのは貴崎自身の責任じゃないか。
 何故か貴崎はこの状況をさっぱり覚えていないのだが、確かに年越しの一番神社が忙しい時期に、成宮の故郷へ一緒に着いて行くと言って聞かず、父と揉めに揉めた記憶がある。

 もう一度外を見ると、背景を消し去るほどの濃い靄の中で、少年二人が抱き合いキスをしていたので鼻血が出そうになった。。
 小学生のくせに、なんともその姿が様になっているのが腹立たしい。
 上半身をかがめて、ほんの少しだけ顔を傾ける姿勢の成宮。今の貴崎でも、ああ上手くは出来ないだろうと思うほど、二人は絵になっていた。
 貴崎少年を抱き寄せる腕が、薄い背中を徐々に締め付けていく。

「ん……んん。とぉま……苦しい……」
「あ……っ、ごめ……」
 ようやく二人の身体は離れた。

「なんか、ちょっと……前のちうとは違う」
「う、うん……。上手くできるように、映画とか見て、ぬいぐるみで練習したんだ……。俺だって、ちゃんと祐のこと考えて、勉強してるんだよ……」
「ふぅん。なんか変なの。ちょっとだけ気持ちよかった」
 また恥ずかし過ぎるコメントを残して、貴崎少年は満足気に微笑み走り去って行った。
 残された成宮は、首筋まで真っ赤に染まり、後ろからでも火照っているのが丸分かりだ。
  
 しばらくすると、また濃厚な霧が煙のようにうねりながら視界を白一色に染め、すごい速さで成宮の小さな背中を消していく。
 時折、靄の切れ目に人影が現れる。
 とても断片的な夢なのだろう。
 
 人影は成宮の小さな背中であったり、貴崎少年と手をつないで何かを楽しそうに話している姿であったりする。
 声だけが霧の中から聞こえる時もある。

「祐? 祐……おいで」 

「とぉまぁ……好きぃ」

「嫌だ! 冬馬と一緒じゃなきゃやだ!」

「じゃあ、とおまの事、お兄ちゃんって呼んでもいい?」 

「うん。ずっと……ずっと一緒だよ」

 きゃははと変声期前の高い笑い声が濃霧に響く。

 あの頃の成宮は、貴崎にとって一番の親友であり、理想の兄であり、母親の代わりであり、将来を共にしたいと切に願う、初キスの相手であった。
 木の枠に持たれかかって少年の声に耳を澄ませる。
 この頃、きっと自分は幸せで、毎日が楽しくて仕方なかったのだろうと思う。




「そんな怖い顔をしなくてもいいじゃないか、冬馬君」

 知らない声音に瞼を開けた。
 成宮の声ではない。もちろん貴崎少年の声でもない。
 大人の――男の声だ。

 煙霧の中に見え隠れする人影に目を凝らすと、幼い姿の成宮の肩に手をかけている男がいる。
 日に焼けた笑顔に見覚えがあった。
 
「先生は、君との約束をちゃんと守っているよ? 君が言った通り、祐君には指一本触れていない。
 ねっ? だから君も、先生との約束をちゃんと守ってくれるだろ?」

 先生という言葉で目星がついた。
 あれは貴崎と成宮が通っていた水泳教室の先生だ。
 名前は忘れたが、明るくて教え方も上手いと評判の教師だった。
 貴崎も大好きでよく懐いたが、何故か成宮はそれをひどく嫌った。
 
「前みたいに痛くしないって約束する。大人しくしてくれたら、すぐに終わるよ」
 男がいやらしい手付きで成宮の形の良いフェイスラインをなぞると、何故かそれを見ているだけで苛立ちが増した。吐き気がする。
 成宮は無表情のまま、怖いほどに冷ややかな視線で教師を見上げた。

「成宮君。先生の言うこと聞けるよね? 君の代わりに祐君の個人レッスンを入れたって、先生は別に構わないんだ。あの子は君よりもずっと素直で騙されやすいからね」
 成宮の顔がわずかに歪む。
 教師の手が細い腕にかかり、こっちへおいでと成宮は引かれていく。

「成宮っ!」
 思わず声を発したが、それより先に重たい濃霧が成宮を呑みこんでしまった。
 小さな南京錠が音を立てて揺れる。 

 またすぐに次の声が響き始める。

「だから、何ていうか……好きっていうのかどうかわかんないけどさ……」
 声の主は貴崎少年。
 ただし、さっきより少し成長している。小学校高学年といったところか。
「でも、一緒にいたら、ドキドキするの……?」
「うん。まあ……ちょっとだけ。隣にいたら、すごく楽しいし……」
 石階段に腰掛け、隣には沈んだ表情の成宮がいる。
 成宮の茶髪は歳を追うごとに少しずつ黒くなっているようだ。そして貴崎は歳を追うごとに目つきが悪くなっている。

「俺と、一緒にいるより……?」
「え?」
「祐は、俺と一緒にいるより、ユカリちゃんと一緒にいる方が楽しいの?」
 思い詰めた顔で成宮が隣を振り向く。

「当然だろ! 相手は女の子だぞ? 冬馬はモテモテだから、いっつも隣に女の子いっぱいいるから、俺の気持ち分かんないんだよ」
「そ、そんなことない! 俺は祐の一緒にいるのが一番楽しいよ」
「嘘! 絶対嘘だね、それ。冬馬は嘘つきだからなぁ」
「祐……」
 先程までの二人とは比べ物にならない険悪な雰囲気が漂う。
 貴崎は我ながら、小さき頃の方が自分は可愛げがあったのだと自覚した。

「告白とか……するの?」
「するかよ、そんなの」
「じゃあ、ユカリちゃんに告白されたら……? 好きって言われたらどうするの? 祐」
 成宮の声が強張り、微かに震えている。
「好きって言われたら……? わかんないけど……、でも嫌いじゃないし……」 
 顔もよく知らない隣のクラスのユカリちゃんが、貴崎のことを好きだというデマが流れたせいで、貴崎はこんなにも彼女を意識してしまう羽目になったのだと記憶している。本当に貴崎祐は単純なのだ。




「俺も好きだよ」

 空気が張り詰めて、靄の動きが止まった。
「は?」

「俺も好きだ、祐のこと。友達とかそういうんじゃなくて……」

「な、なんだよ……それ」
「ユカリちゃんなんかより、俺の方がずっと祐のこと好きだし、祐のこと知ってる」 

 一瞬間をおき、貴崎少年は溜息を漏らして立ち上がる。

「もういい……。なんだよ、人が真剣に相談してるのに、どうしてそんな冗談言えんだよ。冬馬なんかに相談するんじゃなかった……。友達だって思ってたのに」

「冗談なんかじゃないよ。俺、本当に祐のこと……!」
 聞く耳を持たずに歩き始める少年の後を成宮が追う。

「祐、待ってッ! 祐……。俺、来週また日本を発つんだ。もしかしら……もう、帰って来られないかも……」

 消え入る声を聞いた不機嫌な顔が振り返る。

「じゃあ、借りてたゲーム、ポストに入れとく」
 それだけつぶやき、少年は去って行った。

 確か、それから三年間だ。成宮は姿を消したのは。
 これはその前に交わした最後の会話だった。


 

「なあ成宮。お前その、下の名前で馴れ馴れしく呼ぶのやめろよ。男同士で気持ち悪いし」
「ご、ごめん……」

「貴崎……聞いたよ。彼女、できたんだってね……」
「ああ、うん」
「言ってくれればよかったのにさ……おめでとう、よかったね」
「別に成宮には関係ないだろ。そういうの、お前にいわれると、なんか馬鹿にされてるみたいに聞こえる」
「そ、そういうつもりじゃ……」
「成宮もさっさと彼女作れよ。モテるくせに、何で誰とも付き合わないんだよ」

「なんでお前が探しにくんの? 訳わかんねえ……」

「お前さあ。何でいつも俺の保護者気取りなわけ? そういうとこがうざくて昔から嫌いなんだよ! 頼むから、俺の事は放っといてくれ」 

 霧中に木霊する途切れ途切れの会話。
 何も考えずに発した自分の言葉は、どれだけ幼馴染を傷つけ、追い詰めていたのだろう。
 
 なんだよ――。全部、全部俺のせいかよ――。
 
 いつの間にか夜霧と化した靄の中に、無表情の幼馴染が立っている。
 その整った端整な顔立ちが溶けていくかのように、涙が頬を伝う。
 深い怨念を宿した視線で、格子の中の貴崎をじっと見つめている。
 初めて成宮の泣き顔を見た。

 


「君はどうして、そんなにも泣くことを我慢しているんだい? 本当はとても弱虫なのにね……」

「じゃあ、今晩から私が君の父親になろう。それならいいだろう?
 私に沢山甘えて、我侭を言って、思う存分泣きつけばいい。そういう存在が、君には必要だ」

 声と共に闇の中から現れた腕が、成宮の肩を抱く。
 こちらに背を向け、スーツ姿の男とネオンに縁取られた建物に消えていく。

「成宮ッ!!」
 無意識に身体は動いた。
 格子戸を力いっぱい揺さぶって開けようと試みるが、小さいと言えどもさすが南京錠。シンプルな作りで一向に壊れる気配がない。

「成宮っ、行くな! そんな奴――」
 ベッドで成宮にひどい事ばかりする奴――。
 そいつ以上にひどい事を、自分はどれだけ幼馴染にしてきたのだろう。
 そのせいで――成宮は――冬馬は――。 
 
 でも嫌なんだ――そんなの。
 これが最後なんて――。
 俺なら――俺なら、もっと成宮のこと――幸せにしてあげられたのに――。




 格子の間から伸ばして、やみくもに振り回した指先に何かが触れた。
 小さい金属の輪に、ビールジョッキを模ったキーホルダー。
 鍵――!? 
 詳しく言えば、鍵――をくわえている、犬。
 もっと詳しく言えば、鍵――をくわえている、性格の悪い、我が家の駄犬。

「マっ、マル!?」
 マルチーズだからマル。
 どういう訳か、口には南京錠の鍵をくわえている。
 それ貸せと手を伸ばすと、マルは馬鹿にした上目遣いで一歩後ろへ下がった。
 
 ぺっと吐き捨てるように鍵を地面に落とし、不細工な顔のマルチーズは口を開く。

「おいコラ、しばくぞボケ。そこ俺の家や。ラブホちゃうねんぞ」




【後書】
 遅くなりました(。´Д⊂) ウワァァァン!
 ああ、そしてもう限界……眠くて死にそう。
 こんなにもダラダラした面白くない内容で申し訳ないm(_ _"m) 
 ただの成宮の思い出話になっちゃいました。
 これに懲りずに次も読んで頂けると嬉しいのですが……。
 
 後日別枠でコメレス入れさせて頂きます♪♪ 

 あと二日でフリーターだ~ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
 ではでは。
 ( ゚д゚)ノ寝落ちー
  
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